アメリカ・ブッシュ政権は、“敵対勢力・敵対政権は核兵器を使ってでも転覆する”というブッシュ・ドクトリン(01年9月発表)を実行に移してしている。イラク攻撃を準備すると同時に、北朝鮮に対して圧力をかけ始めている。このブッシュ・ドクトリン(=世界戦争計画)に協力するのか、それともこれを阻止するのか、選択肢は二つに一つしかない。
国連や各国政府には期待できない
「5大国」の政府はどういう立場だろう? イギリスは、ブッシュ政権に全面協力する道を選択している(イギリス軍はすでに米軍とともにイラクを空爆している)。フランス、中国、ロシアは、ブッシュ・ドクトリンに異議を唱えている。でも、それは平和のためではない。自分たちの国益が脅かされることに反発しているだけだ。だからこれらの国は、アメリカが自分たちの国益を保障すれば、アメリカに反対することをやめるだろう。
日本はどうか? 政府はブッシュ政権に協力する道を選択している。先月、米軍を支援するために高い攻撃能力を備えたイージス艦をインド洋に派遣した。イラクの副首相は「日本は米英に次ぐ敵対国だ」と強く非難している。政府はさらに、米軍といっしょになって北朝鮮に対する戦争を国家総動員でやるために今国会での有事法制の早期成立をねらっている。
どの国の政府も、アメリカの戦争計画を本気で阻止しようとはしていない。右の記事にあるような大虐殺戦争が行われようとしているのに、どの国の政府も、イラク民衆の命よりも「国益」を重視している。こんな政治家たちに、何を期待できるだろうか?
「国益」は、他国の民衆を殺してでも守るべきものなのか?
各国政府が言う「国益」とは何だろう?ここでアメリカの反戦運動団体・ANSWERのメッセージを紹介したい。
日本も同じような状況ではないだろうか? 多くの人がリストラで職を失い、職を確保している人も過労死するほど酷使され、生活に困って自殺に追い込まれる人が増えている‥‥こういう現実を、「平和な国」「豊かな国」という「巧妙に作り上げられたイメージ」が覆い隠している。
支配者たちは、「イラクが大量破壊兵器を使って平和を破壊しようとしている」「北朝鮮が核兵器を使って平和を破壊しようとしている」と言う。でも、多くの民衆にとって、平和はすでに支配者たちによって破壊されている。今さら「平和を守れ」と言われても、守るべき平和がどこにあるというのか? もしあるとしたら、それは支配者たちの「おこぼれ」をもらうという「奴隷の平和」でしかない。これが「国益」の正体だ。
「先進国」はこれまで、「国益」のために、「イラクの大量破壊兵器」や「北朝鮮の核兵器」を数十倍するような横暴をはたらいてきた。だからと言って、イラク政府や北朝鮮政府の政策が許されるということではない。でも、まずは、そういうこれまでのあり方を変革することこそが必要なのではないか?
民衆の行動が、戦争を止め、社会を変える
ボクたちは、これ以上政府の言いなりになっていてはいけない。政府のやることを見て見ぬふりをしていてもいけない。それは自分で自分の首をしめることになるだけだ。
今、必要なのは、民衆自身が声をあげること、自分たちの未来のために行動することだ。世界各地で行動を開始した民衆と連帯して、イラク戦争を阻止しよう。世界を破滅させかねないブッシュ・ドクトリン=世界戦争計画を阻止しよう。勇気を出して行動しよう。